介護施設を運営する上での重要な要素として、湿度管理を挙げることができます。湿度は室温や明るさと共に常に一定の範囲内にしておくことが必要です。日本の気候の特徴ともいえるのが、季節ごとに変化する気温や湿度であるといえるでしょう。しかしながら、この変化に富んだ条件があることで、多くの人が体調不良を起こすことも事実です。とりわけ、高齢者が大部分を占める介護施設では、少しの変化にも注意をしなければなりません。利用者が健康で快適に過ごせるよう、湿度管理を行いながら常に住環境を整えることが介護職員に求められています。
高齢になればなるほど、温度や湿度の変化に対応することが難しくなります。なぜなら加齢に伴う適応能力の低下は防げないからです。冬場になると、湿度が下がり乾燥状態となります。痒みや肌荒れ、発疹などの症状に苦しむ人に加えて、痰が上手く出せなくなる人も続出します。特に呼吸器系の疾患を抱えている利用者にとっては、呼吸困難や肺炎などの重篤な症状につながりかねません。そのような事態を回避するためにも、介護職員による適切な湿度管理が求められます。50%前後が介護現場での理想的な湿度とされていますので、定期的にチェックすることも必要。湿度管理の対策として、加湿器の設置や濡れバスタオルを干すことなども有用です。寝たきり状態などでベッドで過ごす時間が長い人の近くにも加湿器を置くなど、湿度に配慮をすることも介護士の大切な仕事です。